私は大学生になってから一人暮らしをするようになり、自炊を始めました。目玉焼き、肉野菜炒め、焼肉などなど、大活躍するのはフライパンです。フライパンはテフロンコーティングのものがよく出回っていますね。私もそれを使っていました。
テフロンコーティングのフライパン、2〜3年は油を引かなくても焦げ付くことがなく、快適なのですが、少しずつボサボサになってきて、焦げ付くようになってきます。そして「これはもうダメだ」と諦めて、新しいものを買うことになります。
大学を出てからはしばらく寮にいましたので、自炊とは縁のない生活でしたが、寮を出て一人暮らしをするようになってから、また自炊をするようになりました。やはりフライパンが大活躍なのですが、何年かおきに買い替える生活をしていました。
少しゆとりも出てきて、「日経おとなのOFF」の2010年1月号の「おいしい料理、まずい料理、一目瞭然図鑑」なる特集合を買って読んだ時のことでした。調理道具でも味が変わるという記事で、ステーキを鉄製のフライパンで焼いた場合とテフロンコーティングのフライパンで焼いた場合が比較されていました。「へえ、うまくやれば鉄製のフライパンの方が美味しく作れるんだ」
今まではホームセンターに並んでいる商品から良さそうなものをなんとなく選んでいたのですが、ちょっと鉄製のフライパンに挑戦してみてもいいかなあという気持ちが芽生えました。電子化保存はしませんでしたが、同じ時期に別の雑誌でも調理道具の特集をしており、鋳造で作ったフライパン(スキレットというのが正しいかもしれません)を活用する記事も、面白く感じたと記憶しています。
その記事にはこのような調理器具を扱う店が、かっぱ橋に集まっていることも書いてありました。東京には出張でちょくちょくでかけていましたので、そのついでにかっぱ橋に寄ってきました。そこでみつけたのがこのフライパン(直径22cm)と中華鍋(直径30cm)です。フライパンの鋳造したものでメーカは及源鋳造(盛栄堂)、中華鍋は職人さんが1枚の板から叩いて打ち出したものでメーカーは山田工業所です。
最初に買ったのはフライパンです。ちょっとコツはいりますが(このブログで少しずつご紹介していきたいと思います)、目玉焼きを作ったり、ステーキを焼いたり、美味しい料理が作れるようになって、人生が豊かになりました。ただこのフライパン、鋳造製で重いんです。重いのに直径22cmしかない。野菜炒めのようなもの作るにはちょっと小さいし、この小さいフライパンでも振って作るのは結構大変です。
やっぱり野菜炒めの料理にも使える鉄製の軽いフライパンが欲しいなあと思ったのですが、鋳造製とはいえフライパンはすでにあるので、ちょっともったいない気がしてきました。そこで目をつけたのが中華鍋です。
雑誌の記事にも山田工業所の中華鍋のことが書かれていたのですが、とりあえず、かっぱ橋に行けば色々あるだろうから見てくることにしました。そしたら山田工業所の中華鍋は無造作に店の軒先に吊り下げられているではないですか。料理人御用達のとっつきにくいもののようなイメージをもっていましたが、庶民的な雰囲気で、気楽にガンガン使えそうな感じがしてきました。そこで迷わずこの製品を買ってきました。それなりの量の料理が作れる大きさがいいけど、手に持って振れることや収納性を考えて直径30cmにしました。
この中華鍋、職人さんの魂がこもった一品なんでしょうが、本当に気楽に料理に使わせてもらっています。ステンレス製のお玉でかき混ぜたりする時に、お玉に残っている野菜とかを落とす時に「カンカカ〜ン」と鍋を叩いて落としたり、この音が料理を楽しくしてくれているようなところもあると思います。
鉄製のフライパンと中華鍋、とっつきにくいところがあるように思われるかもしれませんが、実はテフロンコーティングのものよりも気難しくなく、「ゆる生活」にはピッタリのものであることがわかりました。特徴をまとめておきましょう。
①強い火力で料理ができる
テフロンコーティングのフライパンは、高温にしすぎると、テフロンコーティングがへたってしまいますが、鉄製であればそんな心配はありません。これが美味しい料理が作れる理由です。例えば野菜炒め。火力が弱いと時間がかかるため、水分が出てベチャッとしてきます。それがこの中華鍋であれば強火で調理できるので、短時間で炒め上がるため、シャキッと仕上がります。美味しい手作り料理はゆる生活の基本でしょう。
②洗う時に洗剤を使う必要がない
鉄製なので、基本的にタワシでゴシゴシこするだけできれいになります。洗剤は不要です。ちょっとこびりついているところは、タワシを吊るしておくための針金で作られた輪っかの部分でゴシゴシしてやって、何の問題もありません。場合によっては直火でこびりついたものが黒こげになるまで熱します。そうすると、たわしで簡単に落とすことができるようになります。テフロンコーティングではこんな荒っぽいことはできません。
③買い替える必要がない
テフロンコーティングのものは、何年かごとに買い替える必要がありますが(もちろん火加減に注意して、スポンジで丁寧に洗えば長持ちするでしょうが)、鉄製のものはタフです。私の今使っているものも、もう10年以上経ちますが、何の問題もありません。たぶん一生の付き合いになるでしょう。
もし使えなくなるとすると、それは使わずにしばらく放置した場合でしょうか。ステンレスでもなく、コーティングもない鉄製なので、使わないで時間が経つと、赤サビが出てくる可能性があるそうです。表面だけにとどまっていれば、赤サビを削り落とせば使えると思いますが、深く入り込むと、孔が開いてしまうと思います。まあ中華鍋は使用頻度が高いので、日々料理を手作りしていれば、この心配はないでしょう。
④鉄分が摂取できる
鉄鍋で料理すると、鉄分が料理にプラスされます。鉄は貧血を防止するために重要なものなので、これは健康志向の方には捨てがたい特徴になると思います。
「本当に鉄の表面から料理に鉄分が入り込むの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。私も少し疑っていましたが、例えばおせち料理の黒豆。私は時間短縮のために圧力鍋で煮ますが、圧力鍋で煮た後、この中華鍋に移してしばらく煮てやると、色が黒っぽくなってくるのです。黒前は煮る時に釘を入れて鉄分を与えると黒くなるといいますが、鉄鍋でも黒くなるのです。鉄鍋で料理すると、料理に鉄分を加えることができるというのは、間違いないでしょう。
鉄製のフライパンと中華鍋、いかがでしょうか。皆さんにもぜひ気軽に使っていただけたらと思います。中華鍋は私が買った当時と同じ製品が今でも販売されていました。フライパンについては、同じものは売っていないようですので、近いものをご紹介します。私はフタ無しのものを購入したのですが、フタはあった方がいいです。私はホームセンターでフタだけ後で購入しました。少しだけ大きく、ピッタシではなかったので、フタの金属の縁取りをペンチで取り外して、ガラスだけにして使っています。たまたガラスの縁が丸くて安全で、大きさもピッタシだったから良かったのですが、ちょうどいいフタがなければ蒸す料理ができなくなるのでレパートリーが狭まります。買うならフタ付きがおすすめです。
メニューの料理の項目に、鉄製フライパンを使った料理の作り方をのせています。こちらも御覧ください。
・鉄製フライパンで作る目玉焼き
・鉄製フライパンで作る山芋のシンプルなお焼き
・鉄製フライパンで作るブロッコリーの蒸し焼き
コメント